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    「特許開放許諾実施紛争調停業務方法(試行)」の解読



     

     このほど、中国国家知識産権局は「特許開放許諾実施紛争調停業務方法(試行)」(以下「方法」と略称する)を公布した。この「方法」について、以下の通り解読した。

     

    一、制定背景

    「中華人民共和国特許法」第512条は、「当事者は開放的許諾の実施について紛争が生じた場合、当事者間の協議によって解決する。協議する意向がない又は協議が成立しない場合、国務院専利行政部門に調停を請求することができ、また人民法院に提訴することができる。」と規定している。国務院弁公庁が配布した「特許の転化・適用特別行動計画(2023~2025年)」は、特許開放許諾に関する紛争調停などの関連措置を改善することを求めている。

    党中央、国務院の決定を徹底し、特許開放許諾の実施過程で発生した紛争を速やかに解決する、また、特許開放許諾実施紛争調停に制度的保障を提供するため、国家知的財産権局は「方法」を制定した。

     

    二、制定過程

    中国国家知識産権局は研究活動を推進し、2023年12月26日から2024年1月25日、社会に向けて公開的に意見を募集した。また、その期間にシンポジウムを開き、「方法」の位置づけや条項の記述などについて専門家と学者に意見を求めた。各方面の意見を十分に研究、吸収、採用し、条項の内容をさらに改善した。

    2024年7月2日、中国国家知識産権局令第590号が公布され、公布日からの施行となった。当事者が使用する表(テンプレート)は添付資料の一つとして配布された。

     

    三、主な内容

    「方法」は5章30条で、特許開放許諾実施紛争調停の案件受理、案件調停、案件解決などの内容を明確にした。

    ・第1章(第1条~第3条)は総則。特許開放許諾実施紛争調停の意義、法的根拠と仕事原則を明確にした。

    ・第2章(第4条~第9条)は案件の受理。特許開放許諾実施紛争調停申請の受理条件、当事者が提出すべき書類、受理決定を下す条件、受理しない場合と受理登録などの内容を明確にした。

    ・第3章(第10条~第20条)は事件の調停。調停員を指定する手順、調停員の数、回避すべき状況、調停過程における調停員に対する行為要求、当事者の権利、義務、当事者の不当行為に対する懲戒措置、調停実施の手順、期限、中止の状況と中止回復の条件などの内容を明確にした。

    ・第4章(第21条~第28条)は結案。調停合意書を締結する場合、調停合意書の主な内容、発効条件、調停を終了する場合、調停の回数とファイル管理などの内容を明確にした。

    ・第5章(第29条~第30条)は附則。「方法」の解釈権、発効日などの内容を明確にした。

     

    出典:中国国家知識産権局