このほど、中国国家知識産権局(CNIPA)は、「2021年中国専利調査報告」を公示した。
一、2021年の発明特許の産業化率は35.4%(前年比+0.7)で、この5年間30%以上と安定的に上昇した。なお、企業の発明特許の産業化率は、大中小の規模別に47.1%、54.6%、47.7%といずれも前年より上昇した。
実用新案特許は46.2%(同+4.2)、意匠特許は52.3%(同+0.7)に上昇した。
二、2021年の発明特許の使用許可比と譲渡比はそれぞれ10.4%と7.4%とそれぞれ前年比+2.5と+1.2上昇し、2017年以来安定的に上昇している。
三、2021年に企業が権利保護措置をとった比率は76.4%と前年比+2.5上昇し、2017年と比べても+11.8上昇している。特許侵害訴訟事件の裁判での賠償、調停或いは裁判外和解での金額が100万元以上と回答した比率は16.3%と前年比+9.0と引き続き上昇している。
四、知的財産権の保護状況
1、特許権者の被特許侵害比は継続的に低下
2021年の特許権者の被特許侵害比は7.2%と前年比-3.6、2017年以来の最低値となった。
2、特許侵害事件での高額賠償判決比率が明確に上昇
2021年の特許侵害訴訟事件の裁判での賠償、調停或いは裁判外和解での金額が100万元以上と回答した比率は16.3%と前年比+9.0と引き続き上昇している。
3、企業の知的財産権者の保護ルートが多様化
2021年に特許権者が保護ルートの裁判、行政処理及び調停を選択した比率は順に30.8%、21.5%、18.6%とそれぞれ前年比+4.4、+2.8、+2.2上昇した。そのうち、特許権者の48.3%は2種類以上の保護方法を選択して権利を維持しており、知的財産権紛争で多元的解決メカニズムが採用するよう改善されている。
4、企業は特許侵害対策に積極的
2021年に企業が権利保護措置をとった比率は76.4%と前年比+2.5上昇し、2017年と比べても+11.8上昇している。大中小の企業規模別に見ると順に97.7%、91.7%、81.0%で、それぞれ前年比+0.5、+5.9、+7.1増加しており、中小企業の増加率が向上している。