このほど、最高人民法院は、「知的財産権侵害民事事件の審理に対する懲罰的賠償の適用に関する最高人民法院の解釈」を公布し、公布日から施行された。司法解釈は、原告が法により享有する知的財産権を、被告が故意に侵害したことを主張し、かつ情状が重大で、被告に懲罰的賠償責任を負わせるよう原告が求めた場合、人民法院は法により審査・処理しなければならないと明確化した。司法解釈でいう故意は、商標法と不正競争防止法に規定されている悪意を含む。
民法典は懲罰的賠償の主観的要件を「故意」と規定し、商標法及び不正競争防止法は「悪意」と規定している。実際には、「故意」と「悪意」のどちらを構成するかを厳密に区別することは難しいので、「故意」と「悪意」とを同義として解釈し、「悪意」は商標、不正競争分野に適用され、「故意」はその他の知的財産権分野に適用されるという誤解を防止する。
侵害を抑制する懲罰的賠償制度の重要な役割を発揮し、知的財産権裁判の実情に立脚するために、司法解釈は原告の主張及び提供した証拠を参考にして、賠償金額の算定の基数を確定することができる。また、被告が虚偽の帳簿、資料を提供した場合には、民事訴訟法に基づいて法的責任を追及すると規定している。
また、知的財産権懲罰的賠償制度の正確な実施を確保し、実践における濫用を避けるために、司法解釈は懲罰的賠償の適用要件を明確にしている。最高人民法院は、司法解釈条文の意味をより正確に把握し、各級法院が司法解釈を正確に適用するよう指導するために、知的財産権懲罰的賠償の典型事例を公開する。
司法解釈は、知的財産権民事事件における懲罰的賠償の適用範囲、故意、情状が重大であることの認定、賠償計算基数と倍数の確定等について具体的に規定している。裁判基準の明確化を通じて、司法解釈は各級法院が懲罰的賠償を正確に適用し、重大な知的財産権侵害行為を処罰するよう指導する。
出典:新華社