EN
ホーム
会社紹介
  • 会社概要
  • シニアパートナー
  • 受賞歴
  • オフィス
  • 弁理士・弁護士紹介
    取扱業務
    業務グループ
  • 機械部
  • 電気学1部
  • 電気学2部
  • 化学・生物技術部
  • 日本一部
  • 日本二部
  • ドイツ部
  • 法律部
  • 商標部
  • ニュース・文章
  • トピック
  • 業界ニュース
  • 文章
  • 事例速報
  • アクセス
    ニュース・文章

    上海初の知的財産権侵害懲罰的賠償事件の一審審理が行われた


    登録商標の無断使用

     原告であるアメリカのある企業は主に運動器材の生産販売に従事し、フィットネスの普及させ、多くの発明特許を持っており、中国の多くの商品とサービス分野に関連商標を登録した。フィットネス器材広く販売し、フィットネストレーニングプロジェクトを普及させることにより、関連商標はすでに中国消費者のでかなりの知名度を持っている。

     2018年3月、原告は被告である浙江のある企業が、原告の案件の登録商標を使用した同機種のフィットネス器材を展示会で販売したことを発見した。また、被告はWeChatのショッピングモールや、工場の現場など様々な場所で販売した。原告は、被告が使用した商標は原告の案件の登録商標と全く同じであり、かつ商品分野も原告の案件の登録商標に使用されたものと同一であり、商標権を侵害していると考えた。

     実は2012年に被告は原告の知的財産権を侵害し、原告が警告状を送った後、双方は和解協定を締結し、被告は侵害行為を行わないと約束した。侵害が繰り返された状況を考慮して、原告は合理的に決定される金額の3倍懲罰的賠償の適用を主張し、300万元の賠償を要求した。

     被告は、原告が中国で専門店開設をしておらず、代理店でも商品を販売していないので、原告はそもそも営利目的(商品を販売するために)商標登録を行ったわけではない」と主張した。また、現在市場ではすでに多くの同業ライバルが同類製品を生産しており、被告は事件の商標の使用については正当であり、それは合理的に使用されており、原告の商標権利を侵害していないと主張した。

     

    裁判所は300元の賠償額支払の判決を命じた

     上海浦東裁判所は審理を経た後、原告の案件登録商標は強い顕著性を有し、被告は同一商品に対して同一商標を使用し、原告の登録商標専用権を侵害したと判断された

    裁判所は、被告のWeChat宣伝の内容によって、侵害商品の販売量を証明することができるが、被告はその宣伝内容に対して真実性を否定することができない場合、原告の主張を支持すべきである。被告の侵害利益は101.7万元から139.5万元の間にあると認定された。

    また、新商標法規定は、悪意に基づいて商標専用権侵害され、情状が重大な場合、権利者の実際の損失、権利侵害者の権利利益、商標許可使用料によって合理的決定される金額の2倍以上3倍以下の賠償額を確定することができる。

     本件で、被告は原告の商標や特許権を侵害した疑いで原告に警告された後、原告と和解協議に署名して、権利侵害行為お行わないことを承諾したが、再び犯罪行為を実施していることが発見された。被告は原告の商標や製品を模倣して、オンラインなどのルートを通じて販売しておりその製品に品質問題があり、その行為は懲罰的賠償について"悪意"と"情状重大"の適用要件を満たしているので、裁判所は最終的に3倍の懲罰的賠償比率を確定した。

     

    参考価値

     2013年に新「商標法」第63条第1項"懲罰的賠償"が規定されたが、これによって知的財産分野で初めて懲罰的損害賠償制度導入された。しかし、司法の実践では、懲罰的損害賠償制度直接適用され、被害者に高額賠償を判定するケースは多くない。主にこの制度適用されための2つの条件確定しにくい:1つは侵害者の主観的な"悪意"と権利侵害行為の客観的な"重大"の確定が難しいこと、2つ目は権利者の損失や権利侵害者の利益によって決定される賠償額の基準の確定が難しいである。

     法律の規定が原則である場合、本件は上海初の知的財産権侵害懲罰的賠償事件として、懲罰的損害賠償の制度適用条件の審査、賠償の基数決定などにおいて積極的に模索することで、他の案件の審理において重要な参考価値を持っているだけではなく、知的財産権の司法保護の継続的な強化ないし法制化、国際化の環境構築も同様に重要な意義を持っている。

     

     

    出典:中国知識産権資訊網