2019年3月15日に、第13期全国人民代表大会第2回会議で外商投資法が可決された。外商投資法は以前の「外資三法」、即ち、中外合弁経営企業法、外資企業法、中外合作経営企業法に代わって、中国の新しい外商投資法制度の基本フレームを確立した。中国の外商投資分野の新しい基本法であり、中国が積極的に外商投資を吸引し、利用し、対外開放を拡大し、開放型経済の新体制を構築する重要な制度である。
中国の対外開放立法は外商投資立法で始まった。1978年12月、鄧小平氏は外商投資法を制定することを提案した。1979年、中外合弁経営企業法の公布により中国は門戸を開いて外資を誘致し、対外開放を実施した。1986年、全国人民代表大会は外資企業法を制定した。1988年、全国人民代表大会は中外合作経営企業法を制定した。その後、国務院の関係部門と地方は続々と定型的法規を制定し、"外資三法"の基本的な構造が形成された。その中で、中外合弁経営企業法は1990年、2001年、2006年の3回修正を行った。外資企業法は2000年、2016年の2回修正を行った。中外合弁経営企業法は2000年10月、2016年9月、2016年11月、2017年11月の4回修正を行った。現在、改革開放が進むにつれ、「外資三法」は新時代の需要に適応しにくくなった。
共産党の19大(中国共産党第19回全国代表大会)では、高水準の貿易と投資自由化の合法化政策を実行し、全面的に参入前国民待遇+ネガティブリスト管理制度を実行し、市場の参入を大幅に緩和し、サービス業の対外開放を拡大し、外商投資の合法的な権益を保護し、中国国内に登録された企業を平等に扱われなければならないことを明確に提示した。2015年1月19日、外商投資法(草案)について初めて意見を求めた。2018年12月、国務院は外商投資法草案を全国人民代表大会常務委員会で審議した。2018年12月、第13期全国人民代表大会常務委員会第7回会議で、外商投資法草案が初めて審議された。2019年1月29日から30日までに開催された第13期全国人民代表大会常務委員会第8回会議で、外商投資草案の第2回審議が行われた。2019年3月15日、第13回全国人民代表大会第2回会議は外商投資法を可決した。
外商投資法は2020年1月1日に施行される予定で、それまでに実施細則として、行政法規や部門規則が決定される。新時代に中国の外商投資法制度に基づく完全な法律制度を形成した。また、外商投資法の第20条、第21条、第22条は知的財産権と技術協力の遵守に対してより高い要求を出しており、実務上の関心が高まっている。特に外商投資の技術協力プロジェクトの中で、以下の3つの事項に注意する必要がある。
一、技術協力プロジェクトにおいて強制的な技術の移転を防止する。即ち技術協力の条件は投資者が公平性の原則に従って平等に協議、確定し、行政機関と職員は行政手段を利用して技術を強制的に譲渡してはいけない。
二、技術協力において知的財産権の保護を重視する。即ち外国投資家と外商投資企業の知的財産権を保護し、知的財産権の権利者や関連権利者の合法的な権益を保護し、知的財産権の不法行為に対して、厳格に法的責任を追及する。
三、技術協力の収益面で、外国投資家の中国国内での知的財産権の許可使用料を保障し、法律によって人民元或いは外貨で自由に為替送金する。
出典:中国知識産権報