このほど、最高人民法院が裁判委員会全体会議を開き、「最高人民法院の知的財産権紛争行為の保全案件に対する法律適用の若干問題に関する規定」(以下、「規定」)を審議・通過させた。
「規定」には、以下4点の内容が含まれている:
一、手続的規則:申請主体、管轄法院、申請書の記載事項、審査手続き、再議、行為保全措置の執行などを含む。
二、実体的規則:行為保全の必要性を考慮する要素、担保、行為保全措置の効力期限などを含む。
三、行為保全申請に誤りがあるとの認定及びそれを原因とした賠償請求訴訟、行為保全措置の解除など。
四、異なる種類の保全処理の同時申請及び以前の司法解釈の処理など、その他の問題。
2001年に、「貿易に関する知的財産権の協定」を履行するため、中国の「専利法」、「商標法」及び「著作権法」などにおいて、訴訟前の権利侵害差止に関する規定が追加され、知的財産権の訴訟前の行為保全制度を確立した。2012年に改正した「中華人民共和国民事訴訟法」第100条と第101条に、訴訟中と訴訟前の行為保全に関する規定が追加され、行為保全制度が民事分野に拡大された。
不完全な統計によると、2013年から2017年までの5年間に、全国の法院が知的財産権の訴訟前の侵害差止案件と訴訟中の侵害差止案件の件数は、それぞれ157件と75件であり、裁定支持率はそれぞれ98.5%と64.8%であった。行為保全措置は知的財産権者に対して迅速に権利侵害行為を制止し、直ちに司法の救済を得ることで重要な役割を果たしている。
出典:中国知識産権報